ご無沙汰です。 忙しかったもので。
前回の記事の続きです。
試験問題には前回にも書いたように
1・・・主観的な問題
2・・・客観的な問題
の2つがある。
1は、解答者の思考を試させる問題。早く言えば、論述問題にあたる。
2は、解答者の思考を試さない問題。早く言えば、記号問題にあたる。
オレは何度も言うように
試験と言うものは、本来、1の主観的な問題でなければならない
と思っている。
それは当然で、1の主観的な問題は
その解答者の思考、理論を問うものであり、解答者の「記述」「論述」がそのまま
表れるから。
ちゃんと思考が出来、理論的に
「起承転結」(序論、本論、結論)を用いて解答できているかも把握でき非常に良い問題だと、オレは思っている。
前回にも書いたように
「今日の教育に関して、あなたの考えを英語で述べよ」(字数無制限)
と言う問題があったとする。
こういうものは「主観的な問題」の最たるものであって
非常に良問であり、こういう問題こそが「試験内容の全て」でなくてはならない。(記号問題は出題されるべきではない)
しかし、大きな問題が発生する。
前回にも書いたように
1・・・正解が決まっていない
2・・・1より、採点に時間がかかる
3・・・1と2より、採点者の都合(裁量)ですべてが決まる
この3点が非常に難しいものとなる。
「正解が決まっていない」
これが主観的な問題の大きなネックだ。
だから時間もかかってくる。
例えば、以前
「この電車は東京駅行きです」
という、日本語の英訳問題でオレが散々
「交通機関使用の場合、方向のtoは使わない」と指摘した内容の英訳問題が出題されたとする。
学校では「~に」という方向を示す前置詞はto一辺倒で教わっているはずだ。
(この時点で、学校の指導者も悪い。勿論、鵜呑みにする学生も悪いが)
だから「東京駅に行く」と言う場合
殆どの学生は、それが公共交通機関を用いる場合でも
go to Tokyo Station
と表記するだろう。
This train goes to Tokyo Station.
というように。
辞書を調べても明記されているが
前置詞のtoは「一直線をあらわす前置詞」なので
交通機関で用いると
1・・・目的地以外の場所には寄らない
2・・・乗客の乗り降りも一切無い
という表現になる。
だから
This train goes to Tokyo Station.
は、文法上の間違いは無いが(キチンと第1文型をとっている)
「あり得ない行動」「交通機関ではあまりにもおかしい行動」となるので
オレが採点者であれば絶対に×を下す。
と書いた。
そんな交通機関はこの世には存在しないから。(目的地以外の駅には寄らず、客の乗り降りも一切無いって、キミは回送列車に乗るのか??)
しかし、中にはこういう人もいるだろう。
「まあまあ、相手は学生だよ?子供だよ?
そんな細かいところを考えてキチンと記述して無くても、ちゃんと第1文型~5文型の文法から外れてなければいいじゃん。イチローチのように状況までキチンと考えて英語に出来る人なんていないよ。試験てそこまで問うてるの?? まああの表現でも○だよ。」
だから、前回の記事でオレはこう書いた。
主観的な問題は、採点者の裁量ですべてが決まる
話はこれでオワリではない。
まだ続きが有る。重要な続きがね。
国公立大や競争率の激しい大学では
1点2点が命取りになることがある。
その1点2点が命取りになる戦場で
「採点者の裁量ですべてが決まる」
なんて滑稽だと思わないか?? おかしいと思わないか?絶対納得できないだろう。 その採点者の独断と偏見で成否が決まってしまうって。今後のキミらの未来が掛かることに、採点者の裁量ですべてが決められてしまうっておかしくないか???
公立高校入試解答速報でも、こういう表現補足がある。「内容は模範解答と異なっていても、内容を正しく捉えていれば表現は異なっても良い」 ・・・でもさあ、どういう表現であれば正しいのか、どこまで異なっていれば良いのかも採点者の裁量で全て決まるんだよ。 おかしいだろ、そんなの。
オレはおかしいと思ってるけどね。
だから、どうしても、主観的な問題にしてしまうと
後々、問題が発生して紛糾することになりかねない。
それを避けるために
出題側は、客観的な問題(記号問題)にしているんだよ。
だからこういうことだ。
主観的な問題は、その解答者の能力を見るうえでは良いけどあまりにも解決しきれない難問が浮き出るから、主観的な問題を出せ というわけにはいかない。だからどうしても「誰もが正解だ」とわかる客観的な問題(すなわち記号問題)にせざるを得ない。
「主観的な問題にすべきだ!」
こう意固地に言うアホは
オレの述べたことが分かってない人(考えられてない人)なんだよ。
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試験における主観的な問題は採点者の裁量で成否が決まる 「それではおかしい」
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