受験指導の英語でよく講師たちが
「分解法」 を提案する。
ある英文(長文)があるとしたら
一区切りできる部分でスラッシュを入れて
各々分けて訳を行い、理解すると言うことだ。
だいぶ前にも指摘したことがあるが
オレは分解法と言うやり方は
本当に英語(言語)を理解したいのならば
お勧めしない。
これにはちゃんとした理由がある。
それは
英語的な表現も出来なくなり
円滑な会話(発言)もできなくなるから。
例えば、以下の英語(英文)があるとする。(すべて小文字表現)
some observers contend that the country has gone into a moral decline, while others think this view is alarmist.
これを訳すとき
講師の殆どは、一区切りできそうなところでスラッシュを入れて
そこで1 2 3 と数字で区切り、別々で分解して訳して
最後に組み合わせる というやり方で指導していく。
こういうことだ
①some observers contend ②that the country has gone into a moral decline, ③while others think this view is alarmist.
①主張する人々が居る
②この国は道徳的に衰退してしまった
③こんな見解は杞憂に過ぎないと考える人もいる
①と②と③を組み合わせると
「この国は道徳的に衰退してしまったと主張する人もいれば
こんな見解は杞憂に過ぎないと考える人もいる」
という訳が出来上がる。
英語の出来ない(訳の仕方が分からない)生徒には
まあそれでも良いのかもしれない。
彼らがこの先、英語を使って仕事をすることは
可能性としてほぼ0だろうから。
しかし、そういうことをしていては
もしその中に、英語を使って将来仕事をしたいと思っている学生が居る場合
そういう彼らの芽を摘んでしまう恐れがある。
あまりにも、こういう分解法は
区切り区切りを使ってしまうので
部分部分での判断になり、いざ、会話をする場合も
その部分部分で息継ぎをしてしまい、歯切れも悪くなる。
会話では、こういう分解法の癖が染み付いている人(ネイティブ以外の学習によって身に着けた人の英語)の発音・英語の流れを聞いていると、逆に非常に聞きにくいし耳障りだ。
おまけに
いざ英語を使う際も、その部分部分で息継ぎ、表現を区切る癖が出てしまう。
おまけに、その分解法が癖になってしまい、切らないでよいところでも区切りをしてしまい、表現したい内容のほとんどに区切りが生じてしまい、聞き苦しい状況にもなる。
更には、「この表現じゃないとダメ」と先入観を持ってしまい、思い思いの表現も出来なくなる恐れもある。
先ほど、CSチャンネルで、中国人のエンジニアが英語を使って話をしていたのだが
まさしく区切れるところで区切って表現(会話)をしていて
非常に聞き苦しかった(恐らく、その中国人も分解法で勉強してきた人だろう)。
「なんでそこで区切るの?」というようなところでも区切って会話をしており逆に幼稚な発言にしか聞こえなかった。
本当は
分解法と言うのは、英語の訳がさっぱり出来ない人へ最終手段として差し伸べるやり方であって、本来は行うべきやり方ではない。(だからオレは授業でも分解法はまず指導しない)
本来は
someからdeclineまで地を這うように一気に流れるように訳してそこで息継ぎ。
whileから最後まで流れる。
だから多くても分けて2文だ。
酷い人は
4つも5つも息継ぎが生じて、酷い流れになる(特に分解法の癖が染み付いている人)
そういう人が会話をしたら
5つも6つも息継ぎが生じて
「アーーーん・・」と考え込むような発音が入ったりする(笑) こういう「アーーーん・・」という「ちょっと待ってね」みたいな表現、聞いたことある人沢山いると思いますよ。 あれ、分解法の癖が染み付いて、余計なところで無意識的に区切ってしまい、使いたい表現を模索してるんですね。ああいうのは本当に聞き苦しい。
ネイティブってああいう余計な区切りも「アーーん・・」という考え込むような耳障りな表現も入れませんから。
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分解法はすべきではない 「英語的な表現も、円滑な会話(発言)も出来ない」
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