予備校に勤務していると、色々な生徒を見る機会があるが
同時に、色々な講師も見る機会もある。
で、最近特に訝りを覚えるのが
どんなに酷い成績の生徒に対しても
見境無しに、無責任に
「大丈夫だよ」
「なんとかなる」
「頑張れ」
と、軽はずみな言動を繰り出す講師が多いこと。
本当に多い。
オレは絶対に言わないけどね。
ダメな生徒にはダメと突き放す。
良い生徒には良いと褒める。
可能性のある生徒には可能性があることを言うし、可能性の無い(薄い)生徒には、無い(薄い)ことを告げる。
オレは、こういう人間だから、かなり嫌われる。
実際「ゴキロー先生はハッキリ言うから嫌だ」という生徒も居る。
しかし、正直な意見に「ありがたさ」を覚えて?ついてきてくれる生徒も居るし
卒塾してからも連絡をくれる生徒も居る。
極一部だがね。
そういう生徒は本当に信頼してくれた生徒なんだと思う。
オレは以前、ある私立大を受験する女子生徒を振り替え担当による個別で見たことがあった。(その1日だけ) オレは英語の専任なので、その女子生徒の過去問の出来、英語のレベルを見て判断した。
英語のレベルはまずダメ。
過去問は100点中30点。
入試科目は
1・・現代文
2・・数学
3・・英語
の3科目
オレは英語の点数で
「無理。諦めろ。」
と、その女子生徒を突き放した。
女子生徒は、今にも泣きそうな表情だったが
オレは更に突き放した。
「この出来で通るなら、誰も何もしなくても通る。このレベルで通るなら」
オレは後日、その女子生徒から塾長に苦情を言われた。(直には言われなかった)
塾長から 「頑張れくらいは言ってあげてください」 と言われたが 「そんな甘いことを言うと生徒の為にならない」 とオレは突っぱねた。
常識で考えたら、無理なのはわかる。
英語が100点中30点ということは
他の2科目が良好(70点)の状態を維持しても
平均は60点にも及ばない。
良好の一歩手前の60点なら
1科目平均50点だ。
あと半年時間が有るなら、30点40点引き上げることも無理ではないが、残り1ヶ月も無い状況でこの状態(英語が30点)は、もう無理というしかない。
オレはその女子生徒が他の2科目がどれくらい出来るか知らないが
上手い具合に、英語の30点の体たらくをカバーできる力を備えているとは思えなかったので、「無理だ」 と断言した。
結果は
やはり不合格だった。
永年指導に携わっていると
こいつは出来るか否か
合格するかしないかはわかる。
オレは生徒に嫌われても良い。
自分の信念とプライドを曲げてまで
生徒に好かれようとは思わない。
何を思っているのか簡単に
「大丈夫だ」
「頑張れ」
なんて平気で口に出している講師がやたらと多い現実に
非常に訝りを通り越して、呆れすら覚える。
オレはダメな生徒に「大丈夫だ」なんて抜かして
後で下らん責任なんて持ちたくないからよ。